藤城清治さんの展示を見てきたよ
藤城清治さんの作品を見に美術館いってきた
なんやねん愛生きるメルヘン展って(笑)と
全く期待していなかったのですが……
いや……物凄かった
感動して泣いてしまった
結果としてどれだけ上手く表現出来たかばかり重視していた自分にとって、超絶技巧は無くとも細部まで手を抜かずこだわり抜いて作り上げられた作品たちの迫力は凄まじく、頭を殴られるような衝撃を受けました。
正直友人が職場でチケットを買うことになったので暇だし……と思い向かっただけの作品展だったのですが、気がつけば一つ一つの作品に近づき、細部までじっくり見入っていました。作品の構成には関係の無い紙のシワ一つにも「この辺りは最後に切ったのだろうか、だから力をかけすぎて紙がシワになってしまったのかもしれない」と作業の情景が目に浮かび、会ったことも無い藤城さんを作品の向こうに感じました。
特に衝撃を受けたのは作品展の後半に飾られていた東日本大震災をテーマにしたコーナーでした。
津波によって外壁諸共破壊されてしまい、鉄骨が剥き出しになった宮城県南三陸町の防災対策庁舎を描いた作品の前でたまらず涙が溢れました。
ニュースで何度も見たあの剥き出しの鉄骨が闇の中柔らかい光に照らされ、その光に向かって色とりどりの折り鶴達が羽ばたいている絵でした。
この建物で殉職した防災無線で最後まで避難を呼びかけた女性のことは繰り返し報道された上、2012年の4月から埼玉県の公立小学校の道徳の教科書にも掲載されたため記憶にある方も多いと思います。
当時勤務していた百三十名の職員のうち、生還したのは町長を含む十名のみだったそうです。四十三名はこの建物で亡くなっており、三階建ての建物は津波に飲まれ、生還した十名の方も決して無事に生還した訳では無かったと思います。
何度も報道されたあの冷たく悲しい建物をこんなにあたたかく表現することができるのかと、そして間違いなく心からの鎮魂の祈りを込めた絵だと感じました。
本当に、本当に素晴らしい体験が出来ました。
作品集やポストカードを購入しようと思ったのですが、やはり絵そのものからでないとあの感動を感じることが出来ないと思ったので多分また見に行きます(´∀`)
誘ってくれた友人、ありがとう……!
藤城清治さん、ありがとう……!!!